南国風の庭|太陽と風を感じる、開放的なリゾート空間をつくる6つのポイント
2025年10月22日
休日に友人を呼んでバーベキューをしたり、家族でゆったりと過ごしたり。
「南国風リゾート外構」は、自宅をまるでリゾートホテルのような遊び場に変えてくれる、楽しく開放的なスタイルです。
青い空や緑に映える白いタイル、ヤシの木やハイビスカスの植栽、風が通り抜ける開放感……。
それだけで、毎日が少し特別に感じられるはずです。
この記事では、南国風の庭が持つ魅力と他のリゾートスタイルとの違い、これらをデザインに取り入れられる具体的なテクニックをまとめています。
この記事でわかること
- 南国風の庭の基本的な考え方と魅力
- バリ風やハワイアンとの違いをわかりやすく解説
- 太陽と風を感じる庭を実現する6つのデザインポイント
- 予算やメンテナンスなど、よくある疑問への具体的な答え
「家族や仲間とリゾート気分を楽しみたい」と思う方に、ぴったりのヒントをお届けします。
南国風の庭とは?バリやハワイアンなど、他のリゾートスタイルとの違いを解説
「南国風の庭」と聞いて、どんな景色を思い浮かべますか。 ヤシの木、青い空、白い砂浜…。 そのイメージは間違いではありませんが、実はリゾートガーデンにはさまざまなスタイルがあり、それぞれ少しずつ魅力が違います。
ここではまず、あなたの理想の庭を具体的にするために、さまざまなリゾートスタイルの違いと、「南国風」が持つ本当の魅力について解説します。
「南国風」の庭とは、こんな要素が詰まった庭
「南国風」の庭とは、太陽の光や心地よい風、鮮やかな植物といった自然の要素をふんだんに取り入れ、日常から解放されるような明るく開放的な雰囲気を持つ庭のことです。
「南国風」を代表する3つのデザインスタイル
「南国風」という大きな枠組みの中には、いくつかのスタイルが含まれます。
ここでは、代表的な3つのスタイルをご紹介します。
バリ風(アジアンリゾートスタイル)
南国風のスタイルの中でも、特にアジアの神秘的な雰囲気をまとっているのが「バリ風」です。
自然との調和を重んじ、木彫りや石像といった民族的な装飾を取り入れるのが特徴で、色は落ち着いたアースカラーが基調です。
プライベート感を重視し、室内と屋外を一体的につなぐ設計が多く、まるで高級スパリゾートのような、癒やしに満ちた空間が生まれます。
ハワイアンスタイル
アメリカ・ハワイの陽気な空気感を庭で表現するのが「ハワイアンスタイル」です。
広く敷かれた芝生に、ヤシの木やプルメリア、ハイビスカスといった色鮮やかな植物が特徴。
サーフボードやビーチテイストの小ものを飾ることもあり、家族や友人とバーベキューを楽しむような、明るくカジュアルなリゾート感を演出します。
モダンリゾートスタイル
南国風の要素を、現代的で洗練されたデザインと融合させたのが「モダンリゾートスタイル」です。 直線的なデザインやシンプルな家具、ガラスやコンクリートといった都会的な素材を取り入れます。 植栽は数を絞ってスタイリッシュに配置し、まるで海外の高級ヴィラやリゾートホテルのような、落ち着きとラグジュアリーさが際立つ空間をつくりだします。
似ているようで少し違うリゾートスタイル(西海岸風・地中海風)
同じリゾート系の庭でも、「南国風」の枠組みには含まれない代表的なスタイルとして「西海岸風」と「地中海風」もあります。
- 西海岸風(カリフォルニアスタイル):多肉植物やアガベが主役の、ドライで開放的なスタイルです。白やブルーを基調にしたウッドデッキや、サーフカルチャーを感じさせるカジュアルな雰囲気が特徴です。
- 地中海スタイル:オリーブやハーブ、白壁とテラコッタが特徴のヨーロッパ系リゾートスタイルです。ブルーやターコイズをアクセントにした、南仏やギリシャのような太陽が似合う明るい雰囲気が魅力です。
【本質】南国風の庭が目指すもの|日常から心と身体を解放する空間づくり
さまざまなスタイルがありますが、特に「南国風」の庭づくりで私たちが大切にしているのは、日常のストレスや喧騒から心と身体を解放し、リフレッシュさせる空間をつくることです。
美しいデザインはもちろんですが、それ以上に、太陽の光を浴び、心地よい風を感じ、鮮やかな緑に囲まれることで、人が本来持っている生命力を回復させる。
それこそが、南国風の庭がもたらす本質的な価値であり、私たちが目指す庭づくりのゴールです。
【プロの技を公開】太陽と風を感じる、開放的な南国風リゾートをつくる6つのポイント
ここからは、その特別な空気感をあなたの庭で実現するための、具体的な6つのデザインポイントをご紹介します。
ポイント1:光と影|強い日差しを「心地よい木陰」に変えるデザイン
南国らしさの象徴である「強い日差し」。
しかし、一日中その下にいるのは少し疲れてしまいますよね。
そこで重要になるのが、あえて日差しを遮り、「心地よい木陰」をつくるデザインです。
パーゴラやガゼボ、布製のシェード、あるいは背の高いシンボルツリーなどがつくる木陰は、ただ涼しいだけでなく、空間に落ち着きと安らぎを与えてくれます。
床や壁に落ちる木漏れ日は、時間がゆっくり流れるような、リゾート特有の穏やかな空気感を生み出してくれます。

ポイント2:色彩|青い空と緑に映える「リゾートホワイト」を基調にする
空間にリゾートのような落ち着きと上質さをもたらすコツは、色をたくさん使いすぎないことです。
特に南国風の庭では、壁や床といった面積の広い部分を「リゾートホワイト」と呼びたくなるような、明るい白やベージュを基調にするのがおすすめです。
白い壁や床は、太陽の光を美しく反射して空間全体を明るく見せるだけでなく、植物の生き生きとした緑や、見上げた空の青さを、より一層鮮やかに引き立ててくれます。
たくさんの色を使わなくても、光と素材の色だけで、十分に華やかで開放的な空間はつくれるのです。

ポイント3:素材感|リラックスムードを高める「ラフで優しい」自然素材
リラックスした雰囲気を演出するには、石や木といった自然素材の選び方もポイントです。
きれいに磨き上げられたモダンな素材よりも、少しゴツゴトとした石や、木の温もりを感じるウッドデッキなど、肩の力が抜けた「ラフさ」や「優しさ」を感じる素材を選んでみてください。
表面がツルツルしたものより、少しマットな質感のものを選ぶと、光の反射が柔らかくなり、しっとりと落ち着いた上質な雰囲気になります。
完璧すぎない自然素材の風合いが、心からくろげるリラックスムードを高めてくれます。
ポイント4:植栽|1本のシンボルツリーで「楽園の景色」をつくる
「庭全体を植物でいっぱいにしないと南国風にならない」と思っていませんか。
実は、たった1本のシンボルツリーが、庭全体の雰囲気を決定づけることも多いのです。
例えば、「ココスヤシ」や「ソテツ」のような、一目で南国を連想させる木を庭の主役に据えてみてください。
その1本があるだけで、南国のような世界観が生まれます。
その他にも、ユッカやドラセナ類のような、葉の形がシャープで特徴的な植物も、空間のアクセントとして役に立ちます。

ポイント5:開放感|室内と庭の境界線をなくし「風が通り抜ける空間」に
南国リゾートの心地よさの源は、室内と屋外が一体になったような「開放感」にあります。
リビングの窓を全開にできる大きなサッシや、室内と段差なくつながるタイルテラスは、その開放感を実現するための重要な要素です。
室内の床と庭の床の素材や色を合わせると、視覚的にも空間が連続して見え、まるでリビングがそのまま外に広がったような感覚になります。
庭一面をタイル張りにすれば、家具も置きやすくなり、「家の中にいながら、外の心地よさを感じる」という、贅沢な時間を過ごせます。
ポイント6:水辺|非日常へと誘う「水面に映る光」をデザインする
リゾートに欠かせない「水」の要素。
おすすめしたいのは、噴水のように動きのある水ではなく、鏡のように空や緑を映し出す、浅くて静かな「水盤」です。
静かな水面は、見ているだけで心が落ち着くだけでなく、太陽の光や夜の照明をキラキラと反射し、空間に非日常感をもたらしてくれます。
水面に映り込む光や揺らぎは、まるでプールサイドにいるかのような高揚感を演出してくれるはずです。
プロが答える!南国風の庭づくりでよくある5つの質問
理想のイメージが具体的になる一方で、「うちの場合はどうだろう?」といった現実的な疑問も湧いてきたかもしれませんね。
ここでは、よくある質問に、正直にお答えします。
Q1. 狭い庭でも南国風にできますか?
はい、もちろんできます。
大切なのは、要素を詰め込みすぎないことです。
たとえば、庭の主役となるフォーカルポイントをシンボルツリー1本に絞ったり、壁面をうまく使って縦の空間を活かしたり。
床を明るい色のタイルにするだけでも、空間は広く感じられます。
工夫次第で、コンパクトなスペースでも十分にリゾートの雰囲気は楽しめます。
Q2. 冬の寒さがある地域でも南国の雰囲気は楽しめますか?
はい、楽しめます。
ポイントは、植物選びです。
ココスヤシやソテツなど、南国の雰囲気を持ちながら日本の冬の寒さにも耐えられる植物はたくさんあります。
そうした常緑樹を中心に計画すれば、冬でも緑のある景色を保てます。
また、葉が落ちて少し寂しくなる季節だからこそ、夜の照明の効果が引き立ち、冬ならではの落ち着いたリゾートの雰囲気を楽しむこともできます。
Q3. 予算の目安と優先順位はどう考えればよいですか?
まず優先すべきは、庭の骨格となる「床・壁・目隠し」です。
空間全体の印象は、ここで決まります。
次に、夜の雰囲気を決める「照明」、そして「家具」、最後に「植栽の追加」という順で考えていくのがおすすめです。
また、一度にすべてを完成させなくても、数年かけて段階的に理想の庭を育てていく、という計画の立て方も素敵だと思います。
Q4. タイルとウッドデッキはどちらが向いていますか?
どちらにも良さがありますが、明るく開放的な南国風の世界観とは、白やベージュといった明るい色のタイルが特に相性が良いです。
メンテナンスのしやすさや耐久性を重視する場合も、タイルに軍配が上がることが多いです。
一方で、素足で歩いたときの木の温もりはウッドデッキならではの魅力。
室内の床がフローリングで、その連続性を重視したい場合などは、ウッドデッキの方がいいこともあります。
どのように過ごしたいか、何を優先したいかで最適な答えは変わってきます。
Q5. 目隠しと開放感は両立できますか?
はい、両立できます。
完全に壁で塞いでしまうのではなく、例えば縦格子のフェンスのように、視線は遮りながらも光や風は通すデザインを選ぶのがポイントです。
また、高さの異なる木々をリズミカルに配置することでも、圧迫感なく、自然に視線をコントロールすることができます。
どこからの視線を遮り、どこからの眺めを活かすのか。
そのメリハリを考えることが、心地よいプライベート空間をつくる鍵になります。
南国風の庭づくりで得られるもの:心と身体を解放する特別な空間
ここまで、南国風の庭をつくるための、デザインの考え方や具体的なポイントをご紹介してきました。
太陽の光や心地よい風を感じる明るい空間、白を基調とした壁や自然素材、ヤシの木やプルメリアなどのトロピカルな植栽、そして開放感と水辺の要素。
これらのバランスが、日常から心と身体を解放する特別な場所を生み出します。
まとめ|南国風リゾートの本質は「過ごす時間の質」
- 南国風リゾートの本質: 見た目の美しさだけでなく、心と身体を解放する「過ごすための空間」づくりが大切です。
- 代表的なスタイル: 目指す雰囲気に合わせ、バリ風、ハワイアン、モダンリゾートなどさまざまなスタイルを選べます。
- 空間づくりの6つの鍵: 「光と影」「色彩」「素材」「植栽」「開放感」「水辺」。これらをバランスよく取り入れると、本物のリゾート感が生まれます。
私たちが目指すのは、単に美しい庭を造ることではありません。 植物が持つ癒やしの力、計算された光や影、心地よい風。
そうした自然の要素をデザインすることで、そこに流れる「時間の質」そのものを高め、お客様の暮らしをより豊かに変える「体験」をお届けしたいと考えています。
まずは、あなたの理想の暮らしについて、私たちに夢を語るような気持ちでお聞かせいただけませんか。






