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外構をアジアンリゾート風にする7つのコツ|おしゃれな実例デザインも紹介

アジアンリゾート風の庭、いいですよね。

ご自宅に帰るたび、まるでバリの高級ホテルのような庭が迎えてくれたら……。 そう想像するだけで、毎日がちょっと楽しくなりそうです。

 

でも、いざ自分の家でとなると、「ただ石や植物を置いただけ、みたいにならないかな?」「うちの庭、狭いけど大丈夫?」なんて、不安や疑問も湧いてきますよね。

 

大丈夫です。 いくつかのコツさえ知っていれば、誰でも本物みたいなリゾート空間はつくれます。 この記事では、よくある「作り方」の話だけじゃなく、空間づくりのプロが大事にしている「リゾートで過ごすような、豊かな暮らし」をデザインするための考え方と、具体的なテクニックを全部お伝えします。

 

この記事でわかること

  • アジアンリゾート風の庭ってどんなもの?
  • 後悔しないためのプロの庭づくりの考え方
  • 庭の雰囲気を決める素材選びのコツ
  • おすすめの植物

アジアンリゾート風の庭ってどんなもの?|バリ風との違いと5つのデザイン

熱帯の緑に囲まれたプライベートプール付きヴィラのテラス。プールの横には白いパラソルと2台のラウンジチェアが置かれ、リラックスしたリゾートの雰囲気。ひと言で「アジアンリゾート風」といっても、人によって思い浮かべるイメージはさまざま。 まずは、アジアンリゾート風の庭がどんなものか、よく似ている「バリ風」との違い、そして代表的なデザインの種類についてお話しします。

センスオブリゾートが考える「アジアンリゾート風の庭」

アジアンリゾート風ガーデンとは、東南アジアの高級リゾートにあるような“静けさ”と“癒やし”を感じる空間のことです。

具体的には、こんな要素でできています。

  • : 白やベージュ、グレーといった、ギラギラしていないアースカラーが基本。
  • 素材: 石や木、ラタンみたいな自然のものをたくさん使って、表面はツルツルより、少しマットな質感でそろえます。
  • : 暖かい色の間接照明で、やさしい光と影をつくります。
  • : バシャバシャと水しぶきが上がる噴水というよりは、鏡みたいに静かな水盤が主役です。
  • 植栽: 縦のラインを強調するシャープな葉、南国を思わせる大きな葉、地面を覆う下草などを、重なり合うように植えていきます。

そして、これらの材料を「視線がすーっと通る抜け感」と「余白」を大切にしながら配置すると、開放的なのにプライベート感もある、心からリラックスできる庭ができあがります。

「バリ風」とは、どう違うの?

アジアンリゾートという大きなカテゴリーの中に、「バリ風」も含まれています。

バリ風は、インドネシアのバリ島独特のデザイン(火山石、神様の石像、彫刻、東屋など)がもっとはっきりと表現された、アジアンリゾートの中でも、より飾りがあってエスニックな雰囲気のものを指します。

 

現地の雰囲気を出すために石像を置くのも素敵ですが、ちょっとやりすぎると、逆にまとまりがなくなって、安っぽく見えてしまうことも。 全体のバランスを見ながら、置くものをじっくり選ぶのが大切になります。

日本の住宅に取り入れやすい5つのデザインスタイル

アジアンリゾートというテーマの中にも、いろんなスタイルがあります。 ここでは、特に日本の住宅でも取り入れやすいデザインスタイルを5つご紹介します。

  • トロピカル・スタイル(バリ/プーケット系) 暖かい色の石やラタンの家具、ヤシの木みたいな葉の広い植物を組み合わせた、明るくて開放的なスタイルです。「常夏の楽園」という言葉がしっくりくる、王道のリゾートデザインですね。 [バリ風リゾートガーデンの記事に誘導]
  • タイ・スパスタイル(タイ風) チーク材や竹を使い、縦のラインを強調した格子や、光と影のコントラストで上品さを出すスタイル。どこか瞑想的で、凛とした静けさを感じさせます。
  • ナチュラル・スタイル(ベトナム/ダナン風) 白やベージュっぽい砂岩をベースに、植物の隙間から向こうが見えるような“抜け感”を活かして、軽やかな雰囲気をつくるスタイル。涼しげな印象で、今の都市型住宅にもすんなり馴染みます。
  • モダン・スタイル(モルディブ風) 直線とフラットな面でデザインされた、シンプルで都会的なモダンスタイル。大きな磁器タイルや暖かい色の間接照明をうまく使って、日常から切り離された特別な空間をつくり出します。
  • 和モダン・スタイル(和×アジアン) 日本の伝統的な美意識と、アジアンリゾートの雰囲気をモダンにミックスしたスタイル。黒や木といった和の素材、苔が生むような余白の美しさを活かしながら、さりげなく異国の空気を感じさせます。

アジアンリゾート風の庭をつくる7つのコツ

ビフォーアフター2気になるスタイルが見つかったら、次はいよいよ空間づくりの話です。 ここからは、どのスタイルにも共通して使える、空間の質を高める7つのデザインのコツを、具体的に解説していきますね。

1. 色|基本はアースカラー、アクセントは1〜2色に絞る

リゾートみたいな落ち着いた空間をつくるコツは、色をたくさん使わないことです。

白・ベージュ・グレー・ブラウンといったアースカラー(自然の中にある色)で全体をまとめるのが基本。 壁や床みたいな面積の広い部分の色をベーシックなもので揃えると、上質で落ち着いた雰囲気になります。

もし色を入れたいなら、クッションや小物でアクセントになる色を1〜2色に絞るのがポイント。 むやみに色を増やさず、あえて色を限定することで、空間にまとまりが生まれて、洗練された高級感が出ます。

2. 素材|自然素材×マットな質感でまとめる

リゾート感を出すには、ウッド、石、竹、ラタンといった自然素材をたくさん使うことが欠かせません

ここでのポイントは、質感はピカピカ光るものより、光沢を抑えたマット(艶消し)なもので揃えること。 光の反射が柔らかくなって、しっとりと落ち着いた、上質な雰囲気になるんです。

床や壁に使う素材の種類を2〜3種類に絞ると、よりすっきりとおしゃれな印象になります。 同じ石でも、表面がツルツルなものと、ゴツゴツしたものを組み合わせるみたいに、質感で変化をつけるのも面白いです。

3. 光|暖かい色の間接照明で夜の表情をつくる

アジアンリゾートの夜をイメージしてみてください。 そこにあるのは、煌々と明るい照明ではなく、穏やかでムードのある光じゃないでしょうか。

夜の庭を素敵に見せる基本は、照明器具が直接目に入らない間接照明です。 壁や地面、植物に光を当てて、その反射した光で空間を照らすようにします。

照明の色は、温かみのある電球色(約2700K)を選ぶのがおすすめ。 そして、庭全体を同じように明るくするのではなく、「光だまり」をいくつか作るイメージで置くのがポイントです。 光と影のきれいなグラデーションが、空間に奥行きと豊かな表情を与えてくれます。

4. 水|静けさと映り込みを楽しむ「静かな水盤」

アジアンリゾートに欠かせない「水」の要素。 噴水みたいに動きのある水もいいですが、おすすめしたいのは、鏡のように空や緑を映し出す、浅くて静かな水盤です。

静かな水面は、見ているだけで心が落ち着いて、空間にきれいな空気をもたらしてくれます。 水盤をフォーカルポイント(自然と視線が集まる場所)に置くことで、庭全体の印象がぐっと引き締まります。

ただ、水がよどむと衛生的によくないので、ポンプで水をゆっくり循環させる設計にするのが大切です。 夜には水の中に照明を仕込むと、光が水面に揺れて、幻想的な雰囲気を楽しめます。

5. 家具|低めの家具でリラックス感を出す

庭を「眺める場所」から「過ごす場所」に変えてくれるのが、ガーデンファニチャーや小物たちです。

家具は、目線が下がって空間が広く見えるロースタイル(座面が低いデザイン)のソファやデイベッドが中心になります。 素材は、雨風に強い人工ラタンや、ウォーターヒヤシンスに似せたものが、雰囲気づくりにぴったりです。

ランタンやLEDキャンドルをいくつか置けば、手軽に間接照明としても使えます。 石のオブジェなどを一つ置くだけで、非日常感がぐっとアップしますよ。 ただし、ものを置きすぎるとごちゃごちゃした印象になるので、本当に気に入ったものだけを置くのがコツです。

6. 植栽|3つのタイプを重ねて南国感を出す

南国の雰囲気を出すために、いろんな種類の植物をたくさん植える必要はありません。 「縦のラインを強調するシャープな葉」「南国を思わせる大きな葉」「地面を覆う下草」、この3つの層を意識して組み合わせるだけで、少ない種類でもリゾート感は出せます。

  • シャープな葉を持つ植物(高木・中木): コルジリネ、ドラセナ、ニューサイランなど
  • 大きな葉を持つ植物(中木・低木): モンステラ、ストレリチア、アロカシアなど
  • 地面を覆う下草(グラウンドカバー): ディコンドラ、ヒメイワダレソウなど

ここでのポイントは、同じ種類の植物をかためて植えること。 そうすると、リズム感が出て、すっきりとおしゃれな景色になります。 また、日本の気候でも育てやすい寒さに強い常緑樹を中心に選ぶと、冬でも緑が楽しめて、お手入れも楽になります。

7. 構図|「抜け感」と「おこもり感」のバランスをとる

最後のコツは、空間全体の構図です。

室内から庭の奥まで視線がすーっと通る「抜け」を意識してつくると、空間に広がりが生まれます。

その一方で、あえて壁や植物で視線をさえぎって、見せない「余白」をつくることも大事です。 全部が見渡せるより、少し隠れた部分がある方が、人は奥ゆきと落ち着きを感じるものだからです。

目隠しをする場合も、壁で完全に塞いでしまうのではなく、光や風が通り抜ける縦格子やルーバーのデザインを選ぶのがおすすめ。

パーゴラや背の高い木がつくる「陰」も、大事なデザインの一部です。 日中の強い日差しを和らげてくれる心地よい木陰は、庭で過ごす時間を、もっといいものにしてくれます。

【実例紹介】アジアンリゾートのエッセンスを取り入れたモダンガーデン3選

夜の屋外ラウンジ。モダンなソファとアームチェアが配置され、低いコーヒーテーブルには暖かな光を放つオブジェが置かれている。カーテンがかかり、落ち着いた洗練された雰囲気を醸し出している。ここからは、私たちが実際に手がけたお庭の事例を3つご紹介します。

アジアンリゾートならではの植物や装飾は控えめですが、この記事でお話ししてきたデザインのコツ(落ち着いた色使い、マットな素材感、抜け感のある構図など)と共通する要素が多く、結果として、洗練された「モダン・モルディブ風」のリゾート空間に近い雰囲気が生まれています。

1. アースカラーと直線が美しい、高級感あふれるガーデン(岐阜市)

こちらのお庭は、アースカラーを基調としたタイル床と、すっきりとした直線的なデザインが特徴です。 シンプルながらも高級感のある空間が広がります。

自然の素材は少し控えめにしつつも、マットな質感の建材を組み合わせ、落ち着いた雰囲気を演出しています。 家具には背の低いロースタイルのチェアを置くことで、よりリラックスしやすい空間になっています。

植栽はナチュラルな雰囲気で、いわゆる南国らしさは強くありませんが、すっきりとした直線的なデザインが、空間に広がりをもたらしています。 アジアン風の雑貨は多くありませんが、色・素材・空間全体のバランスによって、モダンなモルディブ風リゾートガーデンに近い、洗練されたお庭になりました。 (タカショーガーデン&エクステリアコンテスト 特別賞受賞作品)

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2. 洗練されたモダンさとリゾート感が同居するガーデン(岐阜市)

アルミ製のパーゴラを使った直線的なデザインが特徴的で、洗練されたモダンさとリゾート感が同居するお庭です。 色はグレーやブラウンといったアースカラーでまとめ、素材は木目調や石目調のタイルをバランス良く組み合わせています。

夜になると、間接照明のやわらかな光が空間に陰影を生み出し、ぐっとリゾート感が高まります。 家具はソファセットを中心に、こちらもロースタイルでまとめることで、まるでホテルのラウンジのような非日常感が生まれています。

植栽はあえて控えめに。そのぶん光の演出と直線的なデザインが際立ち、洗練されたモダン・モルディブ風の雰囲気を醸し出しています。 (タカショーガーデン&エクステリアコンテスト 銀賞受賞作品)

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3. ルーバーが可能にする、光と影を楽しむおこもり感(名古屋市)

開閉できるルーバー屋根のついた「パティオムーブ」を中心にデザインされた、直線が美しいお庭です。 空間全体はベージュやグレーのアースカラーで統一し、マットな質感が上質な雰囲気をつくり出しています。

家具にはラタン調のアイテムが採用され、アジアンリゾートのエッセンスをさりげなく添えています。 植栽は控えめですが、パーゴラがつくり出す光と影のコントラストが、落ち着いた「おこもり感」を演出しています。

水盤のような水の要素はありませんが、色・素材・家具の選び方と、全体の配置のバランスによって、洗練されたモダン・モルディブ風リゾートガーデンのお手本のようなスタイルになりました。 (タカショーガーデン&エクステリアコンテスト 銅賞受賞作品)

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アジアンリゾート風の庭づくりに関するQ&A

理想の庭のイメージが具体的になってきた一方で、「うちでも本当にできるのかな?」なんて疑問も出てきたかもしれませんね。

ここでは、よくあるご質問にお答えしていきますね。

Q1. 狭い庭でもできますか?

はい、もちろんできます。 小規模なスペースの外構計画では、あれもこれもと欲張らず、たとえば「水盤」や「照明」みたいに、一番こだわりたいものを一つに絞ってデザインするのがうまくいくコツです。 壁を緑で覆ったり、角に背の高い木を植えて縦の空間を活かしたりと、狭さを感じさせない工夫もたくさんあります。

Q2. 冬でもリゾートの雰囲気を楽しめますか?

寒さに強い常緑樹を中心に植えることで、冬でも緑のある景色を保てます。 葉が落ちて少し寂しくなる季節だからこそ、照明の効果が引き立ちます。 暖かい色の光で木々をライトアップしたり、屋外用の布製品で色を足したりすることで、冬ならではの落ち着いたリゾートの雰囲気を楽しめます。

Q3. 夜の照明は、どれくらいの明るさがいいですか?

「眩しくはないけど、安全に歩ける」というのが一つの目安です。 具体的には、月明かりの下で歩けるくらい(2〜5ルクス程度)の、リラックスできる明るさを目指しましょう。 あくまでリラックスするための空間なので、煌々と照らす必要はないんですね。 いくつかの間接照明で、光と影のコントラストを楽しむのがおすすめです。

Q4. 子どもやペットがいる場合、どんなことに気をつければいい?

ご家族が安全に過ごせる外構にするために、なるべく段差をなくす、家具や花壇の角を丸くする、滑りにくい床材を選ぶといった配慮が大切になります。 また、道路への飛び出しを防ぐためのフェンスやゲートの設置も有効です。

まとめ|アジアンリゾート風の外構は「アイテムの足し算」ではなく心地よい「空間演出」

ここまで、アジアンリゾート風の庭をつくるための、デザインの考え方や具体的なコツ、そして実例をご紹介してきました。

ただ単に「それっぽい」アイテムを並べるだけでは、心から安らげる空間は生まれません。

  • アジアンリゾートの基本: “静けさ”と“癒やし”を感じられること
  • 設計の7つのコツ: 色・素材・光・水・家具・植栽・構図のバランスが大事
  • 大事なこと: DIYでは難しい、空間全体のバランスと、心から気持ちいいと感じる場所づくり
  • できること: 狭い庭や冬の庭でも、工夫次第でリゾートの雰囲気は楽しめる

本物のリゾートガーデンとは、そこで過ごす時間が、あなたとご家族の毎日を豊かにしてくれる、そんなかけがえのない場所だと私たちは考えています。

庭は、暮らしの中で多くの時間を過ごす「家」の一部。 その空間が最高に心地よい場所であることは、暮らしの質そのものを上げてくれます。

私たちセンスオブリゾートがご提供するのは、単なる外構工事ではありません。

庭という空間づくりを通して、あなたの暮らしそのものを、より豊かに変える体験です。

あなたの理想の暮らしについて、ぜひ一度お聞かせくださいね。