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【プロが教える】バリ風リゾートガーデンの作り方|5つのコツで実現する本物の癒し空間

自宅の庭を、バリのリゾートホテルのような、おしゃれで落ち着く空間にしたい。

SNSで素敵な写真を見るたびに、「うちの庭もこんな風にできないかな?」と考えている方もいるのではないでしょうか。

 

でも、いざ自分でやろうとすると、「どんな植物を置けばそれっぽくなるの?」「石の使い方が分からない…」など、具体的なところで手が止まってしまいがち。

見よう見まねで雑貨を並べてみても、なんだかゴチャゴチャして見えたり、イメージ通りにならなかったり。

 

本物のバリ風リゾートガーデンは、ただアイテムを置くだけでは作れません。

この記事では、多くのリゾートガーデンを手掛けてきた外構・ガーデンデザインのプロの視点から、バリ風ガーデンに欠かせない5つのデザインポイントや、計画時のよくある疑問まで、丁寧に解説していきます。

 

この記事でわかること

  • バリ風リゾートガーデンって何?6つの特徴
  • おしゃれな庭をつくるための具体的な5つのポイント
  • よくある疑問と専門家による回答

そもそも「バリ風リゾートガーデン」ってどんな庭?知っておきたい6つの特徴

上空から見たトロピカルリゾートのプールエリア。鮮やかな青い曲線を描くプールが中央にあり、周囲にはストロー傘と数台のダークなラウンジチェアが配置されています。手前には大きなヤシの木が写り、水面には影が映り込んでいます。背景には石壁とピンクの花を咲かせた植物が見えます。「バリ風リゾートガーデン」と聞いて、どんな庭を思い浮かべますか?

ヤシの木が植えられ、石像が置いてある南国の庭、といったイメージが強いかもしれませんね。

もちろんそれらも大切な要素ですが、本質はもう少し深いところにあります。

あの心地よい雰囲気は、自然との調和を大切にする考え方と、いくつかの共通した特徴から成り立っているんです。

 

まずバリ風リゾートガーデンが持つ独特の世界観と、その空間を構成する具体的な6つの特徴について見ていきましょう。

1:「自然との調和」が基本の考え方

バリ風ガーデンの根底にあるのは、自然への敬意と、ありのままの自然を活かすという考え方です。

木、石、竹、水、植物といった自然素材をふんだんに使い、まるで元からそこにあったかのような景観を創り出します。

人工的な美しさだけでなく、生命力あふれる空間を目指すのが大きな特徴といえます。

2:色は落ち着いた「アースカラー」で統一

空間の印象を大きく左右する色使いは、自然界に存在するアースカラーが基本になります。

具体的には、木々のブラウン、石材のベージュやグレー、植物のグリーンといった、落ち着いたトーンで全体をまとめます。

派手な色彩で飾り立てるのではなく、素材そのものの色や質感を活かした、温かみのある配色がリラックスした雰囲気を生み出してくれます。

3:ただ眺めるだけじゃない。「過ごすため」の庭づくり

バリ風の庭は、屋外で心地よく「過ごす」ための場所、いわば「アウトドアリビング」としてデザインされているのが特徴です。

リビングからひと続きになったウッドデッキや、ゆったりとくつろげる屋外用のソファ、ハンモックなどを配置して、読書をしたり、お茶を飲んだり、家族と語らったりと、心からリラックスできる第二のリビングのような空間を楽しみましょう。

4:アクセントに「民族的な装飾」を取り入れる

空間のアクセントとして、バリ島独特の民族的な装飾品が効果的に使われています。

職人の手によって彫られたストーンレリーフや、神々の石像、エキゾチックなデザインのランプ、灯篭などがそれにあたりますね。

これらのアイテムが、庭に本格的なリゾートの雰囲気と、どこか神秘的な奥行きを与えてくれます。

5:リゾートに欠かせない「プライベート感」

リゾートでの滞在を思い浮かべてみてください。

そこには、周りの喧騒から切り離された、穏やかでプライベートな時間が流れていますよね。

バリ風ガーデンでもその考え方は同じです。

塗り壁などで外からの視線を巧みに遮り、静かで落ち着いた時間を過ごせるように設計されているんですね。

そうすることで、心を落ち着かせ、自分だけの時間を過ごすための空間が生まれるのです。

6:室内と庭を繋いで圧倒的な開放感を生む

室内と屋外の境界線を曖昧にし、一体的な空間としてデザインするのも大きな特徴。

リビングの窓を開け放つと、そのまま庭のテラスへと繋がっているような「オープンエア」の設計は、圧倒的な開放感を生み出してくれます。

家の中にいながら、心地よい風や光、植物の息吹を感じられる。

そんな自然との一体感を味わえるのが、バリ風ガーデンの醍醐味です。

おしゃれなバリ風リゾートガーデンを自宅で。5つのデザインポイント

広々としたインフィニティプールがターコイズブルーの海に面している、豪華なリゾート地の風景。プールの向こう側には、5つの鮮やかな赤いパラソルと白いラウンジチェアが一列に並んでいます。右端にはすらりとしたヤシの木が一本立っています。水面にはパラソルと空の反射が映り込み、その上には青い空と白い雲が広がっています。全体的に明るく、開放的で静かなトロピカルな雰囲気です。バリ風ガーデンが持つ6つの特徴、その世界観を少しイメージできたでしょうか。

では、これらの特徴を自分の庭で実現するには、具体的にどうすればよいのでしょう。

ここからは、おしゃれなバリ風ガーデンを実現する外構・デザインのポイントとして、より具体的な5つを詳しく解説していきますね。

1:庭の骨格づくりは、神聖な「石」と「水」から

温かみのある自然素材の中でも、バリ風ガーデンの土台となるのが「石」と「水」です。

特に、柔らかな風合いを持つ砂岩や、重厚感のある溶岩石などは、空間に本格的な雰囲気をもたらしてくれます。

 

白い玉砂利のような天然石を要所に散りばめるだけでも、爽やかでナチュラルな印象になります。

そして、バリでは神聖なものとして扱われる「水」の要素は、空間に清らかな空気と癒しをもたらす上で欠かせません。

代表的なのが、水を張った器をオブジェのように置く「水盤(すいばん)」です。

静かに水をたたえた水盤は、水面に木々や空を映し出すだけでなく、心地よい水音で日々の疲れを癒してくれるはず。

 

こうした、水をデザインに取り入れたアイテムは「ウォーターフィーチャー」とも呼ばれ、リゾート感を高めるのに一役買ってくれます。

広いスペースがなくても、壁を伝って水が流れる壁泉(へきせん)を取り入れたり、あるいは日本の枯山水のように砂利で水の流れを表現したりと、工夫次第で水の潤いを庭に加えることができます。

2:生命感を吹き込む「植物」は高さの階層で奥行きを出す

バリの熱帯雨林を思わせる、生命力にあふれた緑豊かな景観。

これを再現するには、植物の「レイヤード(階層化)」という考え方がとても重要になるんです。

高木、中木、低木、そして地面を覆う下草やシダ類といった、高さの異なる植物をリズミカルに配置することで、空間に奥行きと立体感が生まれます。

ただ闇雲に植えるのではなく、庭の主役となるシンボルツリーを1本決め、それを引き立てるように他の植物を配置していくのがコツです。

また、葉の色や形が異なるものを組み合わせると、緑一色でも単調にならず、表情豊かな庭になります。

日本の気候でも育てやすい、バリの雰囲気を持つ植物もたくさんあります。

例えば、ヤシのような樹形が南国ムードを高める「ソテツ」や、個性的な葉が魅力の「ニューサイラン」などは、耐寒性もあって人気です。
鮮やかな緑の植物と赤い葉の低木に囲まれた、石畳の小道が奥へと続く熱帯の庭園

3:「デッキ・テラス」は室内と高さを揃えて、外に広がる暮らしを

庭をリラックスして「過ごす場所(アウトドアリビング)」にし、オープンエアの開放感をつくり上げるために欠かせないのが、室内とひと続きになったウッドデッキやタイルテラスです。

一般的な住宅では、リビングの床と庭の地面には45cmほどの高低差がありますが、デッキやテラスを室内の床の高さとフラットに繋げることで、室内との境界線がなくなり、暮らしの空間が大きく外へと広がります。

さらに、室内のフローリングとデッキの木材の色調を合わせれば、視覚的な連続性が生まれ、リビングがより広く感じられる効果も期待できます。

庭へ気軽に出られるようになると、天気の良い日にはテラスで朝食をとったり、子供たちの遊び場になったりしますよね。
モダンなダイニングルームと、大きなガラス戸越しに見える屋外パティオ。ダイニングエリアにはダークウッドのテーブルと黒い椅子があり、パティオには鮮やかな赤いモダンな椅子と小さな木が配置され、明るく開放的なリビング空間を演出している。

4:空間の質は「ガーデンファニチャー」で決まる

デッキやテラスの準備ができたら、次はその空間での時間の質を高める「ガーデンファニチャー」を選びましょう。

デザイン性の高い屋外用のソファやデイベッドを置けば、そこはもうリゾートホテルのラウンジのような特別な空間に早変わりです。

「屋外用の家具は雨ざらしで大丈夫?」と心配になるかもしれませんが、最近の製品は屋外での使用を前提に、雨や紫外線に非常に強い素材で作られているため、基本的には出しっぱなしでも問題ないんです。

フレームには錆びにくいアルミや人工ラタン、クッションには撥水加工された生地や、水が染み込んでもすぐに乾く特殊なウレタンが使われています。

庭で食事をしたいのか、読書や昼寝をしたいのか。

そこで「どのように過ごしたいか」を具体的にイメージしながら、お気に入りの一品を見つけてみてくださいね。

モダンなグレーのソファとコーヒーテーブルが置かれた、緑豊かな庭に面した日当たりの良い屋外パティオ。

5:夜の魅力は「照明」で引き出す。光と影のコントラストが鍵

昼間の姿とは違う、庭のもうひとつの魅力を引き出してくれるのが「照明」です。

夜の庭に落ち着いたプライベートな雰囲気をもたらし、非日常感を高める照明デザインは、バリ風リゾートガーデンには欠かせないものです。

ポイントは、庭全体を均一に明るくするのではなく、「光と影のコントラスト」を意識すること。

シンボルツリーを下から「アップライト」で照らしてその美しいシルエットを浮かび上がらせたり、足元を「フットライト」で優しく照らして安全とムードを両立させたり。

いくつかの光だまりを作るように照明を配置し、意図的に闇の部分を残すことで、空間に奥行きが生まれ、幻想的で落ち着いた大人のリゾート空間が完成します。
モダンな屋外パティオ。夜、中心に黒いファイヤーピットが置かれ、ライトグレーのコンクリート舗装、白い壁と木製フェンスに沿ってライトアップされたミニマルな植栽が配置されています。木製のパーゴラには照明が組み込まれており、スタイリッシュで居心地の良い屋外の夜の空間を演出しています。

バリ風リゾートガーデン計画のよくある疑問、プロがお答えします

明るい日差しが差し込む窓辺のオフィスで、笑顔で顧客と話すビジネスウーマン。彼女はライトベージュのジャケットを着用し、目の前のノートパソコンを挟んで書類を持ち、相手に説明しているようです。顧客の背中が写っており、活発なビジネスミーティングの様子がうかがえます。背景には緑の観葉植物が配置されています。ここまでのポイントを見て、理想の庭のイメージがだんだん具体的になってきたかもしれませんね。

でも同時に、「うちでも本当にできるの?」といった、より現実的な疑問も湧いてきたのではないでしょうか。

ここでは、そうしたバリ風リゾートガーデン特有の、よくあるご質問に外構・ガーデンデザインのプロの視点からお答えしていきますね。

Q. 石像やレリーフを置きたいけど、やりすぎ感が出ないか心配…

A. バランスが重要ですが、ポイントを押さえれば大丈夫です。

やりすぎになるどころか、本格的な雰囲気が出て、庭の良さを引き立ててくれます。

「やりすぎ」に見えてしまうのは、アイテムの背景にある文化や考え方を理解せず、ただ無作為に飾り立ててしまうからなんです。

例えば、バリ島の石像は伝統工芸品であり、カエルや神様など、それぞれに意味や物語が込められています。

そうした背景を少し調べて、思いを込めて選んだ一体を庭の守り神のように象徴的に配置すれば、それは単なる飾りではなく、空間に深みを与える存在になるはずです。

Q. 普通のサッシ窓でも、リビングとの一体感は出せる?

A. はい、もちろんです。

大規模なリフォームをしなくても、いくつかの工夫で一体感を出すことができます。

最も効果的なのは、ウッドデッキなどを設置して、その高さを室内の床の高さと完全に合わせること。

これだけで室内と庭の段差がなくなり、驚くほどスムーズな繋がりが生まれます。

さらに、室内のフローリングとデッキの木材の色調を合わせれば、視覚的にも空間が連続して見え、リビングがより広く感じられる効果もありますよ。

窓そのものを変えなくても、窓の内と外に同じ種類の観葉植物を置くなど、少しの工夫で境界線を曖-昧にすることもできます。

諦める必要はまったくありません。

Q. 日本の冬でも、バリみたいな熱帯植物は育つ?

A. バリと全く同じ植物を育てるのは難しい場合もありますが、大丈夫です。

バリの雰囲気を持ち、日本の気候にもあう植物はたくさんあります。

例えば、ヤシのような樹形が人気の「ソテツ」や、個性的な葉が魅力の「ニューサイラン」「ニオイシュロラン」などは、比較的寒さに強く、関東以西の多くの地域で屋外での冬越しが可能です。

本物そっくりにこだわることよりも、外構全体とのバランスも考えながら、その土地の気候で長く楽しめる植物を選び、全体の「雰囲気」を創り上げることが大切なんですね。

Q. 屋外用ソファは、本当に雨ざらしで大丈夫?

A. はい、基本的には心配いりません。

最近の屋外用家具は、雨に濡れることをしっかり想定して作られています。

フレームには錆びにくいアルミや、紫外線・雨水に強い人工ラタンなどが使われています。

クッションの生地には撥水・防水加工が施され、中の素材にも水が染み込んでも素早く乾く特殊なウレタンが使われているなど、雨に濡れることを前提に設計されているんですね。

もちろん、台風の時や長期間使わない時はカバーをかけておくとより長持ちしますが、「雨が降るたびに片付けないと」と心配する必要はありません。

安心して、屋外でのくつろぎの時間をお楽しみください。

まとめ:毎日を豊かにするバリ風リゾートガーデンの本質は「過ごす時間の質」

この記事では、本物のバリ風リゾートガーデンを構成する要素から、外構・ガーデンデザインのプロが実践する庭づくりの考え方に基づいた具体的なデザインポイントまで解説してきました。

単に見た目をまねするのではなく、自然との調和を重んじ、そこで過ごす「時間の質」をデザインすることこそが、本物の「バリ風リゾートガーデン」を創る鍵です。

お客様からいただく「庭ができて、家族との時間が増えた」「毎日がリゾートのようで癒される」という声こそ、私たちがもっとも大切にしている価値です。

庭は、日々の喧騒から心を解き放ち、人生を豊かにしてくれる最高の場所になるはずです。

この記事のまとめ

  • バリ風ガーデンの本質: 自然と調和した「過ごすための空間」。アースカラーを基調とした、プライベートで開放的な設計。
  • おしゃれに創る5つの要素: 庭の骨格「石・水」、奥行きを生む「植物」、暮らしを広げる「デッキ」、空間の質を決める「家具」、夜を彩る「照明」。5つのバランスが鍵。
  • 計画時の疑問を解消: 装飾のバランス、気候に合う植物選び、雨に強い屋外家具など、具体的な解決策で実現は可能。

もしあなたが、単なる「庭」ではなく、「人生を豊かにする空間」を心から求めているのなら、ぜひ一度私たちのデザインに触れてみてください。

私たちセンスオブリゾートが創り出すのは、単に美しい庭ではありません。

心と身体を癒し、生命力を回復させる「ウェルネス空間」であり、人生が変わるほどの「体験」です。

理想の空間づくりについて、まずはお気軽にご相談くださいね!